地域医療機関の統合でお産の環境も変化しています。この変化の中でステキなお産を迎えるためには、3つの大切な準備が必要だと私は考えています。
その一つは、「お産される妊婦さんとそのご家族の準備」です。お産は科学のみでは解明できない神秘的で宇宙的な世界です。したがって、からだだけでなく気持ちの準備(覚悟のようなもの)が必要です。
次に「信頼できる助産師の存在」です。専門知識と技術を持った助産師とのよい関係は自らの内にある自然力を導き出します。
そして3つ目が「必要な時に必要な量の医療が提供される事」です。あくまでも自然の経過に害を及ぼさない形での医療介入になります。
また、ステキなお産とは自然分娩だけをさすものではありません。たとえお産そのものは帝王切開であろうと、妊娠出産育児の一連の体験が妊婦さんとそのご家族にとってかけがえのないものであれば、それは大成功のステキなお産です。3つの大切な準備はそのためのものです。
この3つの大切な準備とは、まさにステキなお産を支える3つの柱です。
その時々の状況でそれぞれの比重(柱の長さ、太さ)は変わりますが、それらはバランスをとりながらステキなお産を支えています。
※この文章は「11月10日付・羽島ホームニュース」の春秋欄に掲載されたものに加筆訂正を加えたものです。