お産の場所については、「医療機関(病院、診療所)」「助産所」「自宅」の3つが一般的と考えます。
では、それぞれの場所でのメリット・デメリットを以下に示します。
※現実にはそれぞれの「施設」加えて「お産そのもの」「産む側のニーズ」も多種多様であるため、一概に決めつけることはできません。このことを前提に参考にして下さい。極力、公平な視点を心がけますが、いかんせん私自身が助産師(2006年秋、開業)であることも念頭において読んで下さい。まだ「言葉足らず」の部分も多いです。少しずつ手直しする予定ですが、現時点では、私の頭の中は、この様になっています。
医療機関 | 助産所 | 自宅 | まとめ | |
メリット |
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医療機関のメリットは当然のことながら身近に医療があることで、緊急時の対応が早い点である。 その他のメリットについては考えようによってはデメリットにもなる。 |
デメリット |
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緊急時の対応については、助産所では「点でなく線の関係」が助産師とできており、異常発見が早い、逆に病院では見落とされ易いといった指摘もある。助産所の独善性については常日頃の心がけや「お産場所変更の自由を確保する」といった策で対応できるのではないか。 |
まとめ | 受け持ち制で担当助産師から継続的なケア・サービスが受けられるシステムであれば、医療機関でのお産は安全・安心・満足のあるよいお産に近づくと思われる。 | リスクマネージメントが充実していれば、安全・安心がより強力となり、医療が身近にないという不安が軽減すると思われる。 | 助産所と同じ。 | それぞれのメリット・デメリットを調整し、母子とその家族にとって最高のお産が提供できるよう、医療機関も助産所も努力を続ける必要がある。 |
最後に
① お産は本来生理的なもの。お産を「助産モデル(生理的視点)」で捉えるか、「医療モデル(病理的視点)」で捉えるか、で大きな違いが出てくる。
② 本来は生理としてのお産であるが、心身共に急激に変化するお産の経過中においては、病理に急変する可能性がある。
③ 過剰な予防医療の弊害として「正常な分娩経過を妨げることがある」。
④ お産における安全・安心は大前提であり、そのための努力は最大限必要である。しかし、「100%の安全は,お産のみならず医療でも存在しない。ましてや我々が生きている自然界を100%コントロールできるはずはない。」ということも知る必要がある。
⑤ 以下に示すように、「安心・安全なお産」はベースであり、そこから上に行くほど「幸せなお産(上等なお産)」に近づく。
幸せなお産(上等なお産)
↑
満足
↑
充実感・達成感
↑
お産が楽
↑
安心・安全なお産
既往分娩や妊娠経過に問題がなく、また合併症等の異常もない等、自然に産むことができる条件がそろっているのであれば、「空 助産院」院長の私としては、”医療機関よりも助産所での出産のほうがはるかに幸せな上等のお産を経験できる”と確信しています。そして、その経験はそこから始まる育児を含めた家族の発展にとても役立つと思っています。